-d47食堂だからこその大変さ、楽しさはどんなところにありますか?
安部:
たとえばお好み焼きもそうですが、職人技でもあり、専門店もある中でd47食堂で提供する意義を考えるというのはプレッシャーになります。それに、どの地域の郷土料理を出すにしても、皆さんそれぞれの「故郷の味」があるはずだから、そこにフォーカスして掴み取らないといけない、というのは日々考えています。
私たちが取材でさまざまな地域を訪れるだけでなく、生産者さんたちご自身もお店を訪れてくれるというのは醍醐味のひとつと言えるかもしれません。特に、前に進もう、新しいものを考えよう、という姿勢の生産者さんとのお取引が多いので、実際にお会いして情報交換をする時間は刺激になりますね。
最後に、D&DEPARTMENTは「つづくをつくる」という姿勢を大切にしていますが、安部さんご自身はどのように考えていますか?
安部:
定食取材に行って、教わる方々がご高齢の方から学ぶことが多いと実感しました。なんでこの作り方なのか、なんでこれを守ってきたのか。それをちゃんと受け継ごうとしてきた人たちがいたから、これが今残っている、と思ったんです。
受け継ごうとしなければ、どれも消えてしまうものだとも思うんですね。だから、それを掬い上げて、発信していくというのは大切だと思っています。一方、守るだけでもダメで、「好きにならないと残っていかない」とも思っていて。
d47食堂で働き始めて、私自身、食べることが好きになる職場だなぁ、と感じました。フロアスタッフの中には、入社した頃は全然ごはんを食べなかったのに、今では漫画のような大盛りで食べる人もいるくらい、みんな食べることが大好きになっていく気がします。休みの日でも、スタッフ同士で日程を合わせて落花生農家や米農家、茶畑などに行って生産者さんのお手伝いをすることもたくさんあります。
やっぱり食いしん坊が集まってくる職場なんですかね(笑)。食の世界がすごく広がる仕事だな、と思っています。