D&DEPARTMENT RECRUITING PROJECT
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OUR STAFF

食べることが好きになる。だから郷土料理もつづいていく。

安部春香
d47食堂 キッチン担当
2022年9月入社

大学の卒論で研究した長崎の郷土菓子「かんころ餅」

-現在はd47食堂でキッチンを担当されている安部さんですが、飲食を志したのはいつごろだったのでしょう?

安部: 高校時代に運動部に所属していて、その頃から食べることに興味があったんです。それで、自分も管理栄養士になれたらいいなと思い、地元の長崎で管理栄養士の大学に入りました。卒論では、長崎の郷土菓子「かんころ餅」の研究をしていたのですが、いろんな地域のおばあちゃんたちにどんな風に作ってきたのか、どんなときに食べていたのかなどお話を聞きにいくというフィールドワークをしたりして。今のD&DEPARTMENTに通じる興味は、当時から持っていたのかもしれません。

そもそもD&DEPARTMENTという存在を知ったのも、大学時代でした。図書館でデザイン観光ガイドブック『d design travel』を手に取って、こんな会社があるんだなぁ、と。

それからは、地元の自然食レストランでの調理や、介護福祉施設での給食のお仕事をしてきました。

-D&DEPARTMENTへの転職はどういったきっかけで?

安部: 3年半前に、D&DEPARTMENTが食堂をやっているということを知りました。応募してみようと思ったのですが、当時はまだコロナ禍だったので選考が全てWEB面接。だけど、画面に当時の店長、料理長が現れた瞬間に「あ、大丈夫そう!」と思ったのを覚えています。無事に内定が出てからも、初めての上京でどこに住んだら良いかわからない私に、店長が「乗り換えがなくて、職場から近いところ」とおすすめの候補を挙げてくれて。

最初は東京での生活や街の喧騒に戸惑うばかりでした。でも、食堂の中の人たちとの交流は活気に満ち溢れていて、スッと入れた気がします。職場に地方出身の人が多いのも、安心できる理由の一つだったかもしれません。

サラダ場、揚げ場、出汁場、小鉢場のチームプレーで完成する定食

-入社してからは、どのようなお仕事に携わってきましたか?

安部: キッチンの中は4つのポジションに分かれています。サラダを盛り付ける「サラダ場」、アジフライなど揚げ物を担当する「揚げ場」、汁物を担当する「出汁場」、そして小鉢を用意する「小鉢場」。スタッフの技量によってポジションは決まるのですが、私は1年かけて全てをローテーションで覚えました。

先輩たちは「こんなに丁寧な人たちがいるんだ!」と驚くほど丁寧で、聞けばすぐに答えてくれたり、「これがわからないだろうな」というのを皆さんも経験してきているので先回りして教えてくれたり。おかげで、習得には困らずにスッと馴染めました。

安部: 一通りのポジションを経験してから2周目に入ると、最初の1年とは見え方が変わったのも面白かったですね。たとえば、小鉢場では1年目は漬物などを刻む担当までだったところが、2年目では下茹でから全工程、特に味をつけるところまでできるようになったのは嬉しかったです。

それに、ひとつの定食が全ポジションを経て完成するので、一人ずつで行なっていた仕込みから、仕上げの盛り付けまで、チームプレイでタイミングを合わせて出来上がるのも楽しいです。

営業時間中はずっとお客様がいらっしゃって回転し続けている状態なので、正直にいうと忙しくはあります。長崎で働いていたころに比べたら、常に忙しい(笑)。キッチンに届いたオーダーの準備をしながら仕込みもするので、料理人なら当たり前かもしれませんが、最初は慣れるのが大変でした。

「もうこれ以上は、仕込みを進められません!」と泣き言が口から出たこともありましたが、先輩から「全体を見ながらコントロールしていこう!」と前向きに言われて、工夫の仕方を覚えられた気がします。

「わくわく」を追求して津々浦々を巡るメニュー開発

-『d design travel』と連動したメニュー開発も、d47食堂で行っていると伺いました。どのような流れで検討するのでしょう?

安部: メニュー開発は、食堂のディレクターとキッチンの料理人、そしてフロアスタッフの3名で現地に赴いてリサーチから始めることが多いです。それも、現地とのコネクションがほぼゼロのところからのスタート。私は広島号の取材に携わりました。

まずは、昭和後期に出版された、さまざまな地域で聞き書きされた郷土料理の本から、面白そうなメニューをピックアップします。そして、それを作ってくれそうな方を探し、アポイントを取って訪問し、食べさせていただいたものの中から検討していくんです。

d47食堂では、食べたことがないものは作ってはいけない、というルールがあって。まずは1ヶ月かけて、広島のいろんな方に電話をかけてご相談をして、実際に取材をして、さらに1ヶ月かけて定食を開発。現地での取材時は、限られた時間で広島県内の津々浦々を巡りました。

安部: 広島定食のメインはお好み焼きだったのですが、実は最初、お好み焼きにするつもりは全くなかったんです。ありきたりすぎるかなぁ、という思いと、オペレーションとしてもd47食堂の厨房はIHなので鉄板がないから物理的に難しいという点が重なったのが大きな理由ですね。

だけど、私もディレクターもメニューを考える中で「うーん、どれもちょっと違うなぁ」と思っていたときに、何がわくわくするだろう?と考え直した結果、やっぱりお好み焼きだろうと。そこからはIH対応の鉄板を発注したり、オタフクソースさんが認定するスペシャリスト「お好み焼士」の方々に焼き方を教わったり。大変ではありましたが、完成した定食を提供している時間帯に「おいしい」という声がフロアから聞こえたときは本当に嬉しかったです。

ここで働くと、食べることが好きになる

-d47食堂だからこその大変さ、楽しさはどんなところにありますか?

安部: たとえばお好み焼きもそうですが、職人技でもあり、専門店もある中でd47食堂で提供する意義を考えるというのはプレッシャーになります。それに、どの地域の郷土料理を出すにしても、皆さんそれぞれの「故郷の味」があるはずだから、そこにフォーカスして掴み取らないといけない、というのは日々考えています。

私たちが取材でさまざまな地域を訪れるだけでなく、生産者さんたちご自身もお店を訪れてくれるというのは醍醐味のひとつと言えるかもしれません。特に、前に進もう、新しいものを考えよう、という姿勢の生産者さんとのお取引が多いので、実際にお会いして情報交換をする時間は刺激になりますね。

最後に、D&DEPARTMENTは「つづくをつくる」という姿勢を大切にしていますが、安部さんご自身はどのように考えていますか?

安部: 定食取材に行って、教わる方々がご高齢の方から学ぶことが多いと実感しました。なんでこの作り方なのか、なんでこれを守ってきたのか。それをちゃんと受け継ごうとしてきた人たちがいたから、これが今残っている、と思ったんです。

受け継ごうとしなければ、どれも消えてしまうものだとも思うんですね。だから、それを掬い上げて、発信していくというのは大切だと思っています。一方、守るだけでもダメで、「好きにならないと残っていかない」とも思っていて。

d47食堂で働き始めて、私自身、食べることが好きになる職場だなぁ、と感じました。フロアスタッフの中には、入社した頃は全然ごはんを食べなかったのに、今では漫画のような大盛りで食べる人もいるくらい、みんな食べることが大好きになっていく気がします。休みの日でも、スタッフ同士で日程を合わせて落花生農家や米農家、茶畑などに行って生産者さんのお手伝いをすることもたくさんあります。

やっぱり食いしん坊が集まってくる職場なんですかね(笑)。食の世界がすごく広がる仕事だな、と思っています。

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